マナツ☆ブログ

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イヤホンのリケーブルはオカルトか?20年前の「1メートル100円」の記憶が私を沼に引き戻した話

イヤホンのリケーブルで音が変わるのか?という話。

最近人気のある有線イヤホンはケーブルを簡単に交換できるものが多くなりました。イヤホン専門店では「このケーブルに変えたらこんな音になった」などとレビューする記事や動画などを発信しています。
しかし、イヤホンケーブル程度の長さで、線材の違いが音質に影響するという説明は、かなり苦しいと感じます。AIに抵抗値の違いから来る音量の差を計算してもらったところ、銅線と銀線での音の差は0.0026 dB、つまり人間には違いが感じられないという計算結果です。
それでも「線材で音が違うと感じてしまった体験」が、どうしても記憶に残り続けています。


線材で音が変わると感じた最初の体験

その体験は、イヤホンではなく、20年以上前に自作スピーカーにハマっていた頃の話です。
当時はユニット選びや箱の構造、吸音材には熱心でしたが、ケーブルにはほとんど興味がありませんでした。

使っていたのはモンスターケーブルです。
モンスターケーブルは、当時からアメリカNo.1とも言われていた音響用ケーブルメーカーで、品質面に疑いを持っていたわけではありません。
単に、たまたま手に入ったものを、そのまま使っていただけでした。

カナレ4S6に替えた理由は「安さ」だった

あるとき、スピーカーケーブルをカナレの4S6に替えました。
理由は音質追求ではありません。
当時、1メートル100円という安さで、日本製、しかも評判が良いという情報を見て、「試してみてもいいか」と思っただけです。

正直、期待はしていませんでした。
ところが、実際に鳴らしてみると、違和感がありました。
音が良くなった、というよりも、鳴り方が変わったと感じてしまったのです。

低域が少し締まり、全体の見通しが良くなったように聴こえました。
戻して聴き比べると、その差が分かってしまいます。
理屈では説明できませんでしたし、測定もしていません。
それでも、「違う」と感じてしまった事実だけが残りました。

そこで沼に入らなかった理由

ここでケーブル沼にハマらなかったのは、
100円でこの音なら、もうこれでいい」と思ってしまったからです。

これ以上高いケーブルを試す理由もありませんでした。
音の違いを感じてしまったことには困惑しましたが、
同時に「ここで深入りすると面倒なことになる」という感覚もありました。

結果として、ケーブルに関する違和感は、そのまま棚上げされました。

時間が経って、ワイヤレスイヤホンにハマる

それから長い時間が経ち、一昨年、ワイヤレスイヤホンにハマりました。
便利さや技術の進歩が面白く、しばらくはそればかり使っていました。

しかし反動のように、去年になって有線イヤホンへ回帰します。
音楽を聴く行為そのものに、もう一度向き合いたくなったからです。

4.4mm対応DACと、リケーブルのきっかけ

その流れで手に入れたDACFIIO BTR15)が、4.4mmバランス接続に対応していました。
ここで、ふと考えてしまいます。
「せっかく端子があるなら、使ってみたい」と。

それが、リケーブルを試した直接のきっかけでした。
深い理由はありません。
単なる好奇心です。

バランス接続で音は確かに変わった

実際にバランス接続にすると、音は変わりました。
これは当然で、出力が大きくなるからです。
アンバランス接続と同じ音量位置で比べること自体が成立しません。

ただ、そのとき頭をよぎった疑問があります。
「音が違うのは、出力が上がったからだけなのか」
「ケーブルの違いも、何か影響しているのではないか」

この瞬間、20年以上前のスピーカーケーブルの記憶が蘇りました。

そうして、ケーブル沼に足を踏み入れる

そこから先は、あまり立派な話ではありません。
気づけば、いくつかのケーブルを試すようになっていました。

違いは大きくありません。
体感で言えば、せいぜい1%程度です。
それでも、その1%が「癖」として感じ取れてしまうことがあります。

実際に使ったイヤホンケーブルの印象

以下は、あくまで主観的な記録です。

KBEAR 梵音絡(銅+銀メッキのミックス線)

基準としているTripowin Zonie(銀メッキ線)と比べると、
帯域バランスがやや悪いと感じました。

特定の帯域が強調されるというより、全体のまとまりが少し崩れる印象です。
音質が大きく変わるわけではありませんが、基準にはしづらいと感じました。

GY-Hifi 377(銀線)

低域がタイトになると感じました。
量が減るというより、輪郭が整理される方向です。

ベースラインが追いやすくなる感覚はありましたが、これも変化はごくわずかです。

JS-Hifi Obsidianグラフェン線)

最も分かりやすかったのは、アタック感です。
音の立ち上がりが、少し強調されるように感じました。

解像度が上がった、という表現は適切ではない気がします。
音の性格が、ほんの少し変わった、という印象です。


後から出会った、マイクロフォニック音という考え方

こうした試行錯誤をしているうちに、
X(旧Twitter)で「ケーブルの音の違いは、マイクロフォニック音によるのではないか」という記事を目にしました。※

 

そこでは、カナレのケーブルが、
他のケーブルと比べてマイクロフォニック音が20dB以上小さいという検証結果が示されていました。

これを読んだとき、
20年前に感じたスピーカーケーブルの違和感が、少しだけ腑に落ちました。

科学と体験のあいだに残るもの

マイクロフォニック音が、すべてを説明するとは思っていません。
ただ、線材や構造の違いが、思っている以上に物理的な影響を持っている可能性はあります。

リケーブルは、音質改善の万能薬ではありません。
それでも、過去の違和感と現在の体験が、一本の線でつながった感覚は確かにありました。

今も、イヤホンケーブル沼の中を、ああでもないこうでもないと言いながら歩いています。


なぜ『オーディオケーブルに音のキャラクターがあるのか?』 周波数特性の差を可視化する(保存版) - ブログ-オーディオを楽しもう